学習のススメ‐国語

< 国 語 の 学 習 法 > 国語担当講師 吉崎崇史

看護予備校 関西 大阪・奈良・和歌山・京都・神戸 国語

国語の勉強は突破口が見つかりにくいですが吉崎にお任せください

普段から日本語を使用している受験生にとって、本来、国語は難しさを感じる必要のない科目のはずです。しかしながら、「国語の勉強の仕方がわからない」といった悩みを抱える受験生は少なくありません。その理由の一つとしては、「このテキストを覚えれば大丈夫」、「ここまで学習すれば問題はない」といった確信をもちにくいことが挙げられるでしょう。課題文や問題文の指示が変われば答えるべき事柄も変わるため、必ずしも「勉強してきた知識が役に立つ」というわけではないということです。

そうであれば、初見の問題にも対応することができる学習方法は存在しないのか。その答えは、NOです。実際、どのような問題(もちろん初見の問題を含みます)であっても常にハイスコアを獲得する者はいます。

では、受験国語に求められている能力は何か。それは、多数の人間に対して発した表現を読み解く能力です。換言すると、家族や友人と不自由なく会話をする能力ではなく、顔も名前も知らない相手と確実にコミュニケーションをとる能力です。この点を意識しない学習方法では、初めて出会う問題に対して満足のいく結果を残すことができません。

日本語が飛び交う環境で生活をしている受験生ならば、身の回りにある日本語を検討する習慣を身につけるのが望ましいです。新聞、雑誌、広告など多数の人間に対して発した表現をじっくりと読み、「同じようなことを伝えるときに、私であればどのような表現を使うだろうか」を考えてみてください。そして、「少し表現を変えてみた場合、どのような効果が生じるだろうか」を考えてみましょう。

言葉は、「誰に対するものなのか」が重要です。特定の1人に対するメッセージと不特定多数の者に対するそれとでは、適切な表現が異なります。この点を踏まえた読解力を身につけてはじめて、受験国語に対する不安が解消されるのでしょう。

センター試験の過去問を用いた解き方の説明

教材として、平成24年度センター試験(本試験)「国語」第2問 問1(ア)を用います。課題文は井伏鱒二の名作「たま虫を見る」です。まずは課題文の抜粋を示します。


( 課 題 文 )

或る日、私は便所の壁に(杉村正一郎のバカ)というらくがきを発見した。杉村正一郎は私の兄と同級で級長をしていたので、兄は正一郎を羨んだものに違いなかった。けれど温泉場は私達の学校から幾十哩も隔ったところにあったので、杉村正一郎や彼の知人が、便所のらくがきを見る筈はなかったのである。私は兄の浅慮を全く嘲笑した。 「叔母さんに言いつけてやろう。」 「言ったらなぐるぞ!」 兄は実際に私の頬をなぐった。私は木立の中に駆け込んで、このことは何うしても叔母に言いつけなくてはならないと考えながら大声に泣いた。この悲しい時、私の頬をくっつけている木の幹に、私は一匹の美しい虫を見つけたのである。私は蝉を捕える時と同様に、忍び寄ってそれを捕えた。そしてこの虫は何ういって鳴くのであろうかと、唖蝉をこころみるときと同様にその虫を耳もとでふってみた。


この「浅慮を全く嘲笑した」の本文中の意味として最も適当なものを次の5つのうちから選択する問題です。


( 選 択 肢 )

① 短絡的な考えに対して心の底から見下した

② 卑怯なもくろみに対してためらわず軽蔑した

③ 粗暴な行動に対して極めて冷淡な態度をとった

④ 大人げない計略に対して容赦なく非難した

⑤ 軽率な思いつきに対してひたすら無視した


まず、「本文中の意味」が問われていることに注意してください。辞書的な意味が問われているわけではありません。すなわち、いま問題となっている「浅慮を全く嘲笑した」という表現の前後の文脈を踏まえた解答が求められています。そのためには、事実関係の整理を行うことが望ましいでしょう。

「私が兄のらくがきを発見」
→ 「嘲笑」
→ 「私が兄に対して『言いつけてやろう』と発言」
→ 「兄が私に対して『言ったらなぐるぞ』と発言」
→ 「兄が私をなぐる」

「私」は「兄」に対して「言いつけてやろう」と発言していますので、⑤「ひたすら無視した」が間違いであることは明らかです。また、「叔母に言いつける」と述べているに過ぎませんので、④「容赦なく非難」も適当とは言えません。

③は時系列的に整合しません。確かに、「兄」が「私の頬をなぐった」行為について「粗暴」と評すること、および、「嘲笑」という語から「冷淡な態度」を読み取ることは間違いと言えません。しかし、課題文では「私の嘲笑」の後に「兄の暴力行為」が描かれており、この点が③と相違します。③の「粗暴な行動に対して極めて冷淡な態度をとった」という書きぶりは、「粗暴→嘲笑」の流れになってしまっており、課題文が設定している事実関係である「嘲笑→粗暴」と逆になっています。このように「A→B」と「B→A」との区別を要求する問題は、いわゆる「ひっかけ問題」として受験に登場することが少なくありません。

では、残りの①と②のいずれが適当なのでしょうか。文脈的には、①も②も不適当と断ずることは難しいでしょう。また、①と②の違いがわかりにくいという受験生の声も少なくありません。それは、①「心の底から見下した」と②「ためらわず軽蔑した」とを明確に区別することが困難だからでしょう。しかし、①と②は前半部の示す内容が大きく異なります。①は「浅慮=短絡的な考え」と捉えているのに対し、②は「浅慮=卑怯なもくろみ」と捉えています。この違いに着目して解答をしたいところです。

ここで「浅慮」という語の意味を知っていれば、迷わずに正答である①を選ぶことができるでしょう。しかし、「浅慮」という語の意味を知らなくとも「浅」と「慮」の有するイメージから正答の①を選ぶことは可能です。「浅」という漢字は、「浅瀬」「浅はか」などの語に見られるように「程度が小さい」という意味を有します。また、「考慮」「配慮」などの語を思い出せば、「慮」という漢字が「思考にかかわるもの」を指していることくらいはわかるでしょう。このように「浅慮」という語を分解すれば、「浅=短絡的な」「慮=考え」と考えることができ、「②より①の方が適当だ」という結論に達することが可能です。

以上のように、入試現代文では「与えられた資料」をフル活用することが要求されます。「知識に頼る」すなわち「暗記に頼る」学習方法ではなく、「考えるトレーニング」が必要です。この点を意識して受験勉強に取り組みましょう。

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